刺繍の杜 オランダ生活記

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川の下のオランダ人

オランダ北部に住む人たちから見ると、南部の人たちと言うのは理解しがたい人たちのようです。

住んでいるところを言うとオランダ人の反応と言うのはほとんど同じで「あーぁ、川の下ね」と言う方をします。

オランダを横切るマース川を境に北と南を分けるようで、南部はのんびりして人が良く、田舎ものと思われているようです。

話の合間に「北では違うわよ」と言う言葉を何度聞いた事でしょう。

我が家に日本語が話せる北のオランダ人が遊びに来るというので、もう楽しみで仕方ありません。

北と南の違いを、日本語で聞く事が出来るのです。

さて当日、まず驚いたのは彼らは自分たちを「北」の人とは言わないのです。「西」の人なのだそうです。オランダの北と言ったら確かにフリースランドまで行ってしまいそう、「にし」と言うのが正しいのでしょう。彼の家族は全員西の人ですが、たった一人、お兄さんが南の人と結婚したのだそうです。

「全く違う、よその国の人」なのだそうです。

カーニバルで仮装して陽気に騒ぐのは「恥ずかしい」こと、彼には「信じられない」事のようです。

「それでは、レジやお店で全く知らない人に話し掛ける事はないの?」それも全くなし。

このあたりでは夫が帽子を選んでいると、

「それ暖かそうで良いよ!」「私はこれにしよう」なんて言葉が飛び交っていて、言葉を交わさないで同じ場所にいることが苦痛なのではないかと思うくらい、スーパーのレジでも、郵便局の列でも前の人、後ろの人に声をかける人が少なくありません。

「手伝ってあげる。あらこれおいしいのよ」

と言う言葉とともに、私のかごの中からレジの台の上に買った物を並べてくれる人までいます。

私はたたみかけるように、次々と質問攻めにしてしまいました。

「じゃあ、朝10時半ころ、コーヒーを飲みたいんだけどって電話したり、行ったりしないの?」

必ず約束してからいくそうです。

「南ではね、10時半くらいになって、誰かとコーヒー飲みたいなって思ったらその家を訪ねるのよ。」

以前アティが教えてくれたことがあります。近くまで来たからといって突然訪ねる事もあるのだそうですが、彼女もアムステルダムのおばさんのところには電話してからしか行かないのだそうです。

息子が隣のエルスと立ち話の後、別れ際の挨拶はブラバントの言葉「ハウドゥ」ではありません。

エルスは結婚以来15年アジア、アフリカの駐在を経て10年前にオランダに戻ってきた人です。
とても気さくでいつでもウエルカム、ブラバントの人みたいなのに。

私たちが覚えた片言のオランダ語も、習慣も南特有ものに違いありませんが、私にはこののんびりした人の良いブラバントが居心地が良くてならないのです。

2003/4

2003@Miharu Shinohara