刺繍の杜 オランダ生活記

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 京都人とオランダ人

京都の町を一人で歩いてみて、あれっなんだかオランダに似てる・・・?って思ってしまうことがたびたびありました。
オランダでは町を歩いているとアジア人が珍しいのか、よく見つめられます。というよりもずーっと目でおっているというほうが正しいのかしら。いつも誰かに見られていたり、話しかけられたり。
もちろん私は日本人ですから、京都で誰かに見られるというのはないのですが、やはり京都人のおっとりとした風情からはかけはなれていたのでしょう。

嵐電の駅がわからなくて道行く人に尋ねたとき
「どこへ行くの?」 と聞かれたり・・・。
「太秦まで」 と答えると、
「それなら嵐電に乗りなさい。駅はねえ・・・」
と親切に教えていただきました。
私ははじめから嵐電の駅と聞いたはずなのに、と思いながら京言葉の優しさに心が温かくなりました。
嵐電の駅で一緒になったおばあさんは
「この電車は以前は均一料金じゃなかったのだけれど、最近になってどこまで乗っても同じ料金になったのですよ。
一駅しか乗らない人は損をしたようだけれど、その代わり終点まで乗っても同じ料金なの」
とバスとの違いや乗り方を丁寧に説明してくれました。

京都の糸やさんを訪たとき、住所表示がなくて困っていたら懐かしいタバコ屋さんの店先に公衆電話を見つけました。
そこからお店に電話をしたのですが、自分のいる場所がわからないので、お店番のおばあさんに
「ここはどこでしょうか?」 と尋ねました。
「私が電話に出ましょう」
と言いながら外に出てきて道を尋ねてくれました。
わかりやすい目印を何度も何度も確かめて、教えてくれたおかげでそこからは迷わずに行くことができました。

この会話がすべて京言葉なのですから、なんだかやさしい気分になってしまって、ああ京都ってすてきな町だなって思いました。

京都新聞に「観光に出かけた京都で、町の人たちが親切でとても気持ちがよかった」という記事を見つけたのですが、この親切心は観光客に対してだけではないような気がします。
スーパーの中で、京野菜の食べ方を教えてくれたり・・・隣にいる人に何気なく聞いただけなのに、周りにいる人たちがみんな口々においしい食べ方を教えてくれたりするのです。

オランダでもスーパーやデパートの中で話しかけられたり、質問したり、ほんの少しのことでもほっと心が和むことが良くあります。
まったく雰囲気の違うオランダと京都、それでいてどこか似たところのある、どちらも同じように心に残る素敵な町です。

 

2002@Miharu Shinohara