ワイン飲んだくれの旅

 

 

ブルゴーニュへ行きたい・・・このところずーっといい続けていた我が家のワイン好きのために決行を決めたのは出発の1週間ほど前の事です。アルザス、モーゼルに続く「ワイン飲んだくれの旅」に出かけたのは8月の最後の週でした。
初日は土曜日ということもあり目的地であるボーヌ(Beaune)での宿が見つからず、ベザンソンで1泊してからボーヌ入りです。
ただ宿泊だけのための街のつもりがベザンソンの古い街並み、川沿いのレストランどれもすてきで、フランス1泊目を迎えました。

さてお目当てのボーヌです。マスタードで有名なディジョンの南に位置し、ブルゴーニュのおへそ・・だそうです。
ディジョン(Dijon)を通り過ぎたあたりからあたり一面のブドウ畑です。少し背の低いぶどうの木がブルゴーニュのぶどうの特徴なのだそうです。ワインのことは全くわからないのですが、「ロマネコンティ」という名前だけは覚えなさいと言われました。世界一高いワインだそうで、ワイン好きの憧れのようなものだそうです。もちろんこの畑も見学に行きました。広い広いワイン畑の一角にあるこの畑、そんなにひろい区画ではありません。この畑で取れたぶどうから毎年5〜6千本のワインが生まれ、それが世界一高いワインとなって売られてゆくのだそうです。すぐ隣、1メートルくらいしか離れていない畑のぶどうと何が違うのかしら・・・? 絶対それはブランドに違いないと私は思うのですが、大昔に起伏が作られたこの丘の斜面の角度、日のあたり方、地質、その他もろもろのものと、ワインの造り方とのコンビネーションで世界一のワインが出来るそうです。そこには虫除けの小さな茶色のフックのようなものがかかっていました。これは蝶の雌のフェロモンを出し、雄の蝶しか集まらないようにして幼虫が生まれないようにするもので、そのおかげで農薬を使わなくても良くなったとのことです。
もちろん小さなカーブでの試飲もしました。
「日本ではホテルオークラにしか入っていないよ」
と教えてくれたこの小さなカーブでお土産ワインも買いました。
今回の旅の目的の一つでもある夫の友達も訪ねました。仕事はもちろんワインの関係、運び屋さんです。彼の大きな倉庫見学です。全倉庫15度で管理されているそうで、この倉庫のこの部分は何度という風にいくつもある倉庫の全ての温度が記録に残っています。ワインは息をしている・・・本当に生き物のようにていねいに扱われているのです。特に高いワインを一本一本を木箱から出し、おりがないか確認をする作業をしている人たちもいます。こうしてていねいに、きちんと管理されているワインたちは世界中に運ばれていくのです。驚いたのは女性の多さ、運送業ってなんとなく男性の職場かしらと思っていたのですが、フランスらしいおしゃれな明るいオフィスでパソコンに向かって、電話を持って働いているのは女性がとても多いのです。全体の60パーセントは女性との事で、廊下を歩いていても、おしゃれな女性が「ボンジュール」と声をかけてくれるのです。
私もフランスに住んでいたら、うがいをするようなオランダ語じゃなくてあのすてきなフランス語が少しは理解できたかも・・・。
毎日、昼も夜もいろいろな種類のワインを片手に、一体何種類のワインを飲んだことでしょう。あっという間に3泊のボーヌ滞在も終わりになり帰る頃には
「ねえ、ブルゴーニュのワインは白はシャルドネ、赤はピノノワールという種類のぶどうしか使わないのよねえ」
なんて言ってしまう位、ワイン三昧、ワインの話を楽しんだ「飲んだくれの旅」でした。

 

©2002 Miharu Shinohara