手芸やさんレポート その2

 

「何を作ってるの?」
マリーケはお店番の合間に必ず何かを作っています。
小さな刺繍のドイリーだったり、セーターを編んでいたり、本当にありとあらゆるものを作っているという感じです。

新しい町に越して、いくつか見つけた手芸やさんのうちのひとつ
「フィンガーフッド」はゆびぬき・・という意味です。

このお店はオーナーのマリーケのほかにもスタッフがいます。そんなに大きなお店でもないのに、どうしてなのかしらと思っていたのですが、何度か通ってみるとすぐその理由がわかりました。

とにかくお客さんが多いのです。
小さな村ですのでもちろん手芸やさんは一軒のみ、糸やボタンを買いにくる人、編み物を持ってきてわからないところを聞いている人、次から次に人がやってきます。

ある日制服を着た婦警さんが入ってきてお仕事途中でお買い物。
こんな小さな村なのでそれもありなのでしょうか。

ショーウインドウにはマリーケが刺した刺繍が飾ってあり、最近はテディベアも並ぶようになりました。これは同じ町に住むフランシスが作っているテディベアで、もちろんこれを買うこともできるのだそうです。いろいろな顔をした、さまざまな素材の熊たち、行く度に並べ替えられていてそれを覗くのも楽しみの一つです。

このお店で一番多いのはもちろんラナーテのキット、小さいお店の中にたくさんのキットが下がっています。DMCの刺繍糸はもちろん全色揃っていますし、何よりうれしいのはCaron の段染め糸の種類が多いということです。

「ねえ、これを見て!」

と見せてくれたのはハーダンガーのクッションの写真。Caron の段染め糸で刺されたクッションです。数年前にハーダンガーの講習会をしてみんなに教えた作品だそうです。クロスステッチに押されて一時なくなっていた昔の刺繍が、最近また戻って来始めているのだそうです。「古い手仕事」と呼ばれるこれらの手芸がここでもっと見つけることができるのでしょうか。ほかのお客様の合間に、あれこれ見せてもらえるのも楽しみの一つです。

本当は英語ができるのに、ほとんどオランダ語でしか話をしてくれないのですが、それは私のオランダ語のためなのでしょう。
理解できないことはすべて英語で言い直してくれるのですから。
「木曜日はこない様にね。私は木曜日はお休みだから。」
もしかしたら彼女も私が行くのを待っていてくれるのでしょうか・・。

11/2002

©2002 Miharu Shinohara