刺繍の杜 オランダ生活記

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鴨の家族

水路の上の家に越してきてから、我が家の窓の下にはたくさんの鴨がやってきます。春になって14羽の小さな雛を連れたお母さん鴨が毎日来るのでパンをあげると、お母さんはほとんど食べずに雛たちが食べるのをっています。そうして他の鴨がやってきてパンを食べようとすると、噛み付いたり、追いかけたりして追い払います。
しばらくして、10羽の雛を連れた別のお母さん鴨が登場しました。前の雛たちよりも一回り小さい生まれたばかりの雛たちは、ピーピー鳴きながらパンを食べています。14羽の子連れ鴨たちはおもしろくありません。小さな雛たちをくちばしでつつき、追い払おうとします。そこでお母さん同士の一騎打ちが始まるのです。鴨がこんなに激しくかみ付き合うものだとは知りませんでした。頭の後ろや、羽に噛み付いてギャーギャーと鳴きながら、あたりに羽を散らして大騒ぎです。
「そんなに喧嘩するならもうパンあげないからね。」 
と言い聞かしても、もちろん全く効果なし。
ところがしばらくすると、やってくる時間が少しずれるようになりました。朝昼晩の3回ずつ、少しずつ時間をずらしてやってくるのです。
鴨もきちんと住み分けができるのね、と思っていたところに新しい家族登場です。こんどは7
羽の雛を連れたお母さん。
ところがこのお母さん、今までのお母さんと少し違います。パンを投げてあげるとお母さんが率先して食べてしまうのです。雛と競争して押しのけて食べてしまったり、他の鴨がやってきて、雛がつつかれても知らん顔。
鴨にも色々な性格があっておかあさんにむかない鴨もいるのね、と思っていたのですが、しばらくするとだんだん母親らしくなってきました。もしかしたら初めての子育てで、どうして良いかわからなかったのかしら?
家族の登場の仕方は全く違います。我が家の窓の下にたむろして、ガーガー鳴きながら待っている家族。行ったり来たりしながら、ただひたすら気がついてくれるのを待っている家族。気まぐれにやってきて窓の外を通るたびに声を上げる家族。
にわか鴨博士になった私は、鴨の観察をしながら毎日3
3家族、延べ9回のえさやりをする事になってしまいました。
たまに3家族が一緒になった時は30羽もの鴨が我が家の窓辺で大騒ぎとなり、きっと近所で「鴨おばさん」として有名になっているに違いありません。

©2002 Miharu Shinohara